アメリカのクラフトビールは世界的に見てもなかなか奥が深いです。
それでいて前衛的なので面白い。
そんなUSクラフトビールを、もっともっと楽しむ為に、
グラス、注ぎ方、温度、ペアリングの側面から解説します。
USクラフトビールをもっと楽しむ方法
1つでいいのでビールグラスを買う
アメリカのビールと聞くと、バドワイザーのようなライトな飲み口の物を想像する人が多く、
せっかくのクラフトビールでさえ「瓶のままいっちゃいます」みたいな人をよく見かけます。
これ、すごく勿体ないです。
瓶のままいくなら、一番安いのを選んでおいた方がいいです。
クラフトビールはそもそも、その火付け役とも言えるベルギーでは、一本一本に適したグラスが用意されているものです。
というのも、その特長によっては「香りを楽しむもの」「味わいを楽しむもの」などなど違いがあるからです。
個々の違いに対応する為、それぞれ適したグラスが用意されているわけです。
それはUSクラフトビールでも同じことが言えます。
せっかくのいい香りがするビールなのに、瓶からそのまま行っちゃったんじゃ香りが楽しめません。
ただし、USクラフトビールも各ブルワリーがオリジナルのパイントグラスを販売していますが、
あくまでこれはノベルティ的な役割のものが多いです。
だいたいどんなキャラクターのビールだろうと、USパイントグラスと呼ばれる野球観戦に似合いそうな形状のグラスだからです。
※例外としてサムアダムスのグラスのように詳細に設計されたようなものもあります。
なので、どんなUSクラフトビールにも合せられるように、1つでいいからUSパイントグラス(473cc)を用意してみてください。
今までと違った香りが楽しめるのはもちろんのこと、なんとなくアメリカ人になった気分でビールが飲めるはずです。
オススメはリビーのグラスです。重量感もあっていい感じです。
注ぎ方-3:7は黄金比じゃない
日本でビールを注ぐときは泡と液体の比率を3:7にするよう教わったものです。
これをビールの黄金比として教えているお店さんも多いと思いますが、
アメリカでビールをオーダーした時のことを思い出してみてください。
泡・・ありましたか?
どうやら向こうの人は泡と液体の比率を0:10にするのが主流っぽいです。
ただ、0:10の方法で注ぐと、
上記のようなUSパイントグラスだと、クラフトビールの小瓶では満タンにならないという欠点があります。
泡が上手に出来る程、ビール自体がまろやかに感じられるようになるので、
そこらへんはお好みだとは思いますが、よりアメリカっぽくするなら0:10でしょう。
温度管理で味わいと香りが全然違う
これはアメリカに限らず、クラフトビール全般に言えることなのですが、
温度管理をきちんとする事で味わいや香りに差が出てきます。
「大げさな・・」って思うかもしれませんが、
普段飲んでいるビールよりも顕著なのでわかりやすいです。
詳細は省きますが、BLUEMOONのようなベルジャンホワイトスタイルのビールはキンキンに。
SessionIPAなんかもキンキンが良さそうです。
逆に濃いめ、香り高めのビールは若干温度を高めに。10℃~14℃ぐらいで飲んでみてください。
香りの立ち方や味の感じ方が全然違ってくるはずです。
また、飲む直前の温度管理も大切ですが、ビールは基本的に輸送時の温度管理によって品質がどんどん劣化していきます。
輸送時の温度管理の徹底を謳っているインポーターさんからビールを購入するなど、品質の良い状態のUSクラフトビールを楽しんでみてください。
同郷とマリアージュすると楽しい
クラフトビールは単体でも美味しく楽しめますが、
やっぱり料理と一緒に楽しむと、何倍も美味しく感じられるものでもあります。
ビールと料理のペアリングは色んな合わせ方がありますが、
簡単な方法の1つに、同郷でマリアージュするという方法があります。
たとえば、BROOKLYN醸造所のビールなら、醸造所がNYにあるんだからNY名物のバッファローチキンウィングと合わせるとか。
STONEやANCHORはカリフォルニアだから、シーフードかな、とか。
シカゴのビールならシカゴピザとか。そんな感じです。
もともとは歴史あるビールが、その土地の人たちが、その土地で食べられるものに合わせて醸造したという考え方に端を発するものです。
なので比較的新しい醸造所かつどこでも美味しいものが手に入る現在は、これが必ずしもベストマッチなペアリングとはならないかもしれません。
が、ビールや料理の味は何も舌だけで感じるものではないんです。
脳が楽しいと感じている時は、だいたいの物の味が20%ぐらい美味しく感じられます。
そう思うと、同郷を想いながら飲む、なんて乙だし楽しくありませんか?
というわけで同郷マリアージュを楽しんでみてください。
※ビールのマリアージュ(ペアリング)は藤原ヒロユキ氏が著書「知識ゼロからのビール入門」で提唱しています。