日本でも昨年ぐらいからクラフトビールが急に話題にあがるようになってきました。
そんな日本のクラフトビールの第一人者は、1994年の地ビール解禁の前に、
アメリカのクラフトビールを学びに行っていたと聞きます。
それぐらいアメリカとクラフトビールはすでに切り離して考えられない関係になっています。
アメリカとクラフトビール
そもそもクラフトビールとは?
クラフトビールは、クラフトマン(工芸家)が作るビールという事で、
職人によるクオリティの高いビール、という意味で使われている言葉です。
もちろん日本の大手ビールメーカーが造るビールもとても美味しいですが、
クラフトビールはもう少し一般的でなく、生産量も少ないです。
アメリカではそういったクラフトビールのマイクロブルワリーが1,000以上もあると言われており、
日本よりももっと日常的にクラフトビールが楽しまれています。
※ちなみに日本では素人がビールを醸造する事を禁じられていますが、
アメリカではホームブルワリーキットが普通に売られていて、家庭でも手軽に作られています。
アメリカンクラフトビールの特徴
日本の大手ビールメーカーが造るビールは、基本的にドイツのビールに習って造られていますので、
ドイツ式のラガービール「ピルスナー」(正確にはチェコのピルゼン式)ばかりです。
近年ようやくイギリス式のエールビールが市場に多く出回るようになりましたが、
まだまだ多くの日本人のビールのイメージは「ビールは苦くてキリッとしたもの」という感覚です。
そんな日本人がアメリカに行ってバーに行き、
たまたまクラフトビールを口にすると、みんな口をそろえて「アメリカのビールは美味しかった」と言うわけです。
アメリカのクラフトビールの特徴は、大きくざっくり言うと、「ホップ」に隠れています。
カスケードホップという柑橘系の香りがするホップを用いたものが多く、
日本のビールに比べて派手な香りが楽しめます。
とくにカスケードなどのアメリカンホップを用いたペールエールを「アメリカンペールエール」と呼び、
日本のクラフトビール愛好家の中にもファンが多いスタイルとなっています。
日本で買えるヤッホーブルーイングの「よなよなエール」もアメリカンペールエールです。
人気はIPA/Session IPA
そしてアメリカで人気なのが、IPAというスタイル。
これは醸造時にホップを大量に投下することで、強烈な苦味と華やかな香りというキャラクターを持つエールビールです。
ビールは苦くて嫌いと言っていた人が、逆に苦すぎるIPAなら飲める・・みたいな話も聞くから不思議です。
近年のアメリカンマイクロブルワリーは必ずと言っていいほどIPAをラインナップしており、
各ブルワリーのIPAを飲み比べる、なんてのも面白いです。
アメリカでは飲酒運転時の呼気中のアルコール量が日本よりも規制が緩いため、
西海岸の若者はSession IPAというアルコール低めのIPAを飲んで運転して帰る、というような事も珍しくないようです。
※飲酒運転を推奨しているわけではありません。
アメリカのビールは薄い?
年配の方と話をすると、いまだに「アメリカのビールは薄い」と仰る方がいます。
アメリカはマイクロブルワリーが多いですが、大手のビールメーカーがないわけではありません。
有名どころで言えば「バドワイザー」を知らない人はいないでしょうし、「クアーズ」、「ミラー」も日本でもよく見かけます。
実はこれら大手メーカーが打ち出している商品が「ライトラガー」である事こそが、
「アメリカのビールは薄い」と言わしめる原因ではないかと思います。
ライトラガーの定義としては、カロリーが低い事とアルコール度数が低いこと。
要するにこういった商品が多くのアメリカ人に受け入れられているという事から、
大手ビールメーカーはこぞってライトラガーを販売するようになったんだと思われます。
逆を言えば、大手ビールメーカーが出すライトラガー以外のクラフトビールなら、
薄いと感じる事は少ないはずです。
アメリカのクラフトビールは高い
日本でアメリカンクラフトビールを楽しみたいと思った時に、一番ネックになるのが価格です。
アメリカでは酒税が日本とは違いますので、バーで飲んでもクラフトビールが1杯$3程度で楽しめたりします。
それが日本に入ってくると、酒税・輸入税・消費税などがかけ合わさって、
インポーターから直接買ってもボトル一本あたり500円前後はしてしまいます。
ビアバーで飲もうと思ったら1,000円じゃ利かない事が多いです。
アメリカ料理を食べる時に、アメリカのクラフトビールを合わせたいと思うのですが、
こういった事情からなかなか手がでないのが現実ではあります。
※正規輸入代理店がついているBLUE MOONやKONAなんかは200円前後で買えてクオリティも高くオススメです。