USクラフトビールを語る上で、絶対に欠かす事のできない存在・・それが「ANCHOR」です。
アンカーブルーイングは120年の歴史を持つ醸造会社で、
アメリカのマイクロブルワリーの先駆け的存在。
日本でも近年は比較的安価に入手可能なので、USクラフトビールの入門にも最適です。
今回はそんなアンカーブルーイングの代表的なビールの魅力について解説します。
アンカーブルーイング
今から150年以上も前の1854年、アンカーブルーイングの前身となる会社が誕生しました。
1896年に社名がアンカーとなり、2016年で120年を迎えることになります。
この長い期間、ずっとこだわりのクラフトビールを作り続けてきた醸造所だからこそ、
今の人気、今の地位を得られているのだと思います。
以下、日本でも飲めるアンカー社のビールについての紹介です。
エールとラガーのハイブリッドビール「アンカースチーム」
日本でもここ数年でようやく「エール」という言葉が普及しつつあります。
エールはビールの発酵方法のひとつで、比較的高温で発酵させる昔ながらのスタイルになります。
対して日本でも有名な「ラガー」は低温で発酵させるビールのこと。
これらの多くの違いは「酵母」にあり、通常エールにはエール酵母、ラガーにはラガー酵母を使うのが普通です。
・・が!さすがマイクロブルワリーの先駆けであるアンカー。
ラガー酵母をエール並の温度で発酵させて醸造させちゃった、というビールがこの「アンカースチーム」です。
ビアスタイルとしては「カリフォルニア・コモン」と呼ばれます。
ラガービールのキレと、エールビールのフルーティさを合わせ持ったビールとして、
アンカー社のフラッグシップビールとなっています。
日本の酒販店でもアンカーを取り扱っているところならだいたいスチームは置いてます。
300円~400円程度と、USクラフトビールにしては手軽に楽しめる価格なのも嬉しいところです。
麦のワイン、ビール界のコニャックと呼ばれる「オールドフォグホーン」
クラフトビールの真骨頂とも言えるのが、深く熟成させたビールたち。
なかでも「バーレイワイン(麦のワイン)」というビアスタイルは、とても芳醇で濃厚な味わいから、
初めて飲んだ人の多くが「これ、本当にビール?」と驚きます。
アンカー社が醸造するバーレイワインは「オールドフォグホーン」。
ドライフルーツやシェリー酒のような香り・味わいから、藤原ヒロユキ氏も著書「beer mania!」において
と称賛していたほど。私も同感です。
私も、何か一本だけUSクラフトビールを紹介してくれと言われたら、
アンカーオールドフォグホーンか、ストーンセッションIPAのどちらかをオススメしているぐらい素晴らしい一本。
※キャラクターが違いすぎるから、とりあえず2本ともオススメ。
オールドフォグホーンはスチームに比べて、なかなか見かけません。
一時期は一年以上日本に輸入されていない時もありました。
もし酒販店で見かけたら、すぐに飲まなくとも購入しておくべきです。
バーレイワインは直射日光を避けて寝かしておけばさらなる熟成も期待できるからです。
探してでも飲む価値があるアメリカンペールエール「リバティエール」
USクラフトビールを知りたければ、一番最初にのむべきはアメリカンペールエールかもしれません。
アメリカンペールエールとは、瑞々しい柑橘系の香りが特徴的な薄いオレンジ色をしたビールのことで、
使用しているホップがUSホップである事からそう呼ばれています。
※ペールは濃色ビールに比べて薄い色味という意味です。
日本人はザーツホップの香りを「これぞビール!」と思い込んでいる傾向にあるので、
初めてアメリカンペールエールを飲むと、その華やかさに圧倒されます。
最近はグルメバーガーショップでクラフトビールを置いていたり、
ビアバーでハンバーガーを出している事が多いですが、
そんな時にはアメリカンペールエールをペアリングしてみる事をオススメします。
おにぎりに味噌汁が合うように、
アメリカのハンバーガーにはアメリカのビールが合うというカラクリです。
他
他にも日本で買えるアンカーブルーイングのビールとしては、
アメリカンブラウンエールである「ブレックルズブラウン」や、イギリス式黒ビールの元祖「ポーター」などがあります。
いずれもクラフトビールを多めに置いている酒販店さんであればだいたい置いてます。
また、季節限定ビールとして「サマービール」「クリスマスビール」「ボックビール」なども見かけるので
とりあえず全部試してみたらUSクラフトビールへの造詣が深まるのではないかと思います。