アメリカンなコレクターズアイテムとして人気のFireking。
特に企業ロゴの入ったアドマグはありえない程の価格がついています。
Firekingブランドのミルクグラス商品は、作られていた時期が短いものの
当時の廉価グラスだった為に企業がこぞって広告用に利用したという経緯があり、
それこそ出回っている全てのアドマグを把握するのが難しいと言われています。
筆者はそんなアドマグよりも、もう少し気軽に集められて、実際にガシガシ使える「キンバリーマグ」が気に入っています。
FireKingについて
ファイヤーキングはアメリカ「アンカーホッキング社」の1ブランドで、
1942~1976年までの34年間(ミルクグラスは1945~)に製造されていた商品を指します。
当時の価格で10¢(今でいう100円ぐらい)という価格の商品だったことから、
企業が自社ロゴをプリントして広告用に使うなどという大衆的な位置づけの食器でした。
ちょうどいま100円均一で並んでいる食器のような感じ・・よりもっと安い感じだと思います。
キンバリーマグ
そんなファイヤーキングの中でも後年(70年代)に発売されたのが、
ダイヤ柄のエンボスがあしらわれた「キンバリーマグ」というシリーズ。
南アフリカのダイヤモンド鉱山である「キンバリー」の火成岩がモチーフとなっているんだとか。
言われて見ればそう見えなくもないです。
その形状からファイヤーキングと認識されづらそうですが、
実際に手に取ってみると、「なるほどファイヤーキングだ」って思わせられる作りをしています。
キンバリーのカラーリング
一般的に広まっているミルクグラス・・企業のアドマグは、乳白色のグラスに企業ロゴのプリントなのに対し、
キンバリーマグは表面がグラデーション塗装になっている事が多いです。
カラーリングはグリーン、ターコイズブルー、アンバーあたりが有名ですが、
アンバークリアーのものや、ピーチラスターと呼ばれるギラギラのものも確認されてます。
そこはかとなく漂う70s感
キンバリーマグの魅力は、なんといっても70sっぽさじゃないでしょうか。
70年代には70年代特有の良さがあって、それを”そこはかとなく”感じることが出来るのが
ファイヤーキングではこのキンバリーマグだけだと思います。
70sデザインは車やギターにも顕著に表れていて、
おそらく当時のデザイナーによる計画的陳腐化で、それまでのアメリカンゴールデンエイジ的なデザインからこぞって近未来的になっていった時代を表しているようにも見えます。
そんな”時代の試行錯誤感”がなんとも愛らしい70sデザインを全面に感じられるキンバリーマグ。
筆者はやっぱり気になって仕方ないわけです。
比較的安価なのも嬉しい
キンバリーマグはそのデザインから好き嫌いがわかれます。
また、アドマグのように神格化されていないので、雑貨屋さんでショーケースに大切に保管されているというよりは、
ヴィンテージじゃない古着屋さんの片隅に急に置いてあったり、フリマで出会ったりするような感じです。
何千円も何万円もするアドマグを買って並べて眺めるのもいいですが、
3,000円弱程度から買えるキンバリーを買って、コーヒーなんか入れてアメリカンなカフェ気分に浸るのもいいですよね。
キンバリーに限らず、ファイヤーキングはミッドセンチュリーなアメリカを感じる為のアイテムとして一役を買ってくれるのでオススメです。